私は「運動オンチ」じゃない?!〜適性のある場所でなら、輝けると知った時
今回からまた「筋トレ編」に戻ります。
おじいちゃんとスタジオへ
ジムに通うようになって数ヶ月。私は黙々とランニングマシンで走り、筋トレを続ける日々を送っていました。
そのうち「ガムシャラにがんばりすぎて足を壊した」記事で書いた通り、がんばりすぎて故障を連発…。でもガチムチスタッフ「海老蔵さん」をはじめ、いろんな方に助けていただいて乗り越えられました。
その過程で私はひとりのおじいさんと仲良くなりました。
御歳70歳のおじいさん。なんでも若い頃は駅伝選手だったとかで。足を壊して苦しんでいる私をみかねて、ランニングマシンで走る私の横でウォーキングしながら走り方の基礎をたくさん教えてくれました。
このおじいさんに誘われ、私はそれまで興味なかったスタジオプログラムにも出るようになりました。
なんで興味なかったかって、スタジオでやってるのはエアロビです。エアロビやダンスといえば、「運動オンチ」にとって最悪の場所!はちゃめちゃになるのはわかりきってます。
でも誘ってくれたのが70歳のおじいちゃんだったこともあり、ヨガにちょっと興味があったこともあり…。参加してみることにしました。
出てみたら案外大丈夫だった
でも、出てみたら全然大丈夫でした。なんてったって、横には70歳の楽しそうなおじいちゃんがいるんです!
最初は当然動きが分からず、ミスしてばかり。2回目になっても3回目になっても覚えられない。4回目も5回目も…。仕事だったら呆れられて、二度とチャンスがもらえないレベル。
でもジムだったら、誰ひとり気に留めないんです。
運動オンチ?そんなの気にする人、誰もいません。
隣の70歳のおじいちゃん、腰気にしてるしプルプルしてるし、ちょっと危なっかしいけど楽しそうなおじいちゃんのことを、誰が「運動オンチ」なんて言いますか。そんな場所がジムなんです。
その環境が居心地良かったのと、味をしめて「ビリーズブートキャンプ」みたいな激しいエアロビにも参加するようになって気にする余裕が失せたのとで、私はバシバシ動くようになっていきました。
「腕を水平にピタリと上げる」「足を爪先まで伸ばす」なんかの精密動作が得意なのにも気づいたりして。
そのうち、古株顔してスタジオど真ん中の目立つ席に陣取り、キレッキレで動くようになっていました。
体力もつき、おじいちゃんに誘われて出場したマラソン大会では、そこそこの好成績。どの大会に出ても男性の平均くらい、女性としてはそこそこ速い記録を出せるようになりました。
私はなぜ「運動オンチ」と思いこんでいたんだろう?
今だからこそわかります。私は「運動オンチ」じゃない。走れば長距離ならそこそこ速いし、エアロビをやればキレッキレで踊れる。もはやジムで「私、運動オンチだからさ」なんて口にしようものなら、逆に皮肉ととらえられて相手を怒らせるレベルです。
ただ、いわゆる「学校でやるスポーツ」と相性が悪かった。
私はチームプレイや、臨機応変な対応を求められるような戦況がガンガン変わるスポーツに弱いんです。
ほぼ学校でしかスポーツをやる機会がなかったので、それが全てだと思い込み、「自分は運動オンチだ」と思い込んでいたんです。
黙々淡々とこなすマラソンには適性があったのに、決して運動オンチではないのに、アラサーになるまでまったく気づきませんでした。
そして、私が「マラソンやエアロビは得意で、向いている」と気づいた時。
おじいちゃんや海老蔵さん、ジムで仲良くなったたくさんの人と楽しい時間を過ごせていることに気づいた時。
年を経るごとに同期との差が開き、後輩にもどんどん抜かれて針のむしろになりつつあった職場と、楽しくてしょうがないジムとのギャップに、猛烈な違和感をおぼえました。
もしかして今の仕事で私が全然活躍できていなくて、嫌われ者になっているのって…?
いやいや、とその時は一度打ち消したんですが、気づいた時を境に違和感は膨れ上がっていきました。
私は学校で、チームスポーツが苦手で嫌われてしまった。でもマラソンやエアロビは得意で向いていて、ジムでは素敵な仲間に囲まれて楽しくやれている。
もしかすると、私にとっての「マラソン」にあたる仕事がどこかにあるんじゃないか…?
ジム主催のランニングサークルの仲間たちと夜の街を疾駆しながら、ぐっと拳を握ったのをよく覚えています。
筋トレ編、続きます。次はジムでたくさんの友人ができて、人生観が変わった話です。